グリーンラボ近江【お野菜/東近江市】

今回紹介するのは、滋賀県東近江市にて無農薬で水耕栽培をされている"グリーンラボ近江"さん。この日は、農場長・居永友多可さんに案内してもらいました。



生まれ育った地で

もともと東近江の地で生まれ育った居永さん。就職を機に一度はこの場所を離れたものの、周辺の地域の高齢化が進み、実家の農業もなんとかしなければという状況でUターンを決意することに。



〇〇発祥の地

ちなみに東近江市と言えば、道路脇で運転手に飛び出し注意を呼びかける、かの有名な「飛び出し坊や」の”とび太”くん(久田工芸さん)が生まれた土地でもあります。滋賀県民なら各所で見慣れているとび太くんですが、キャラクターのデザインが再びSNSなどで注目を集めているようです。

グリーラボ近江さんにももちろんいました。野菜背負ってます。

夜にはライトが点灯する居永さん自作バージョンも。(訪ねたのが日中だったので…)

くさつ ファーマーズマーケット仕様のとび太くんも欲しくなりますね。



名前の由来

”グリーンラボ近江は、緑の研究所と称しています。この辺りには、JAグリーン近江とか、307号線をグリーンバイパスとか布引グリーンスタジアムというグリーンに纏わる名称が多いので地域の皆さんに親しまれるように名付けました。” (居永さんより)


たしかに周辺を車で走っていると、起伏が少なく、広がる空の下の田畑は心なしかやわらかな緑色をしていたように感じました。そっと目を閉じれば、吸込まれるような穏やかさでした。

グリーンラボ近江さんのところから見える風景。



社会との繋がりを生む場所

実家が代々兼業の米農家だった居永さん。農業との接点は多少あったものの、その繋がりを強くしたのは、10年ほど前のこと。三重県で水耕栽培の野菜を育てる会社の農場長に転身した際、ダウン症の子を持つお母さんと出会われます。彼女は雇われていたわけではなく、給料も発生しない中、何度も農場に来られて作業をされていたそうです。それは単に野菜を作る場所ではなくて、農場が”居場所”として価値ある場所だということ。居永さんにとって水耕栽培の技術以外に、農業の価値を違う角度から再確認する機会でした。



開かれた農場

居永さんが掲げる1つのテーマとして、<開かれた農場>があります。農業離れが進む今の時代にどうしていくのか。社会との接点を失った人をどう社会と繋いでいくか。


ここで僕自身が抱いていた疑問を投げかけました。
どうして無農薬なのか。ということと、どうして水耕栽培なのか。ということです。栽培方法や農薬の有無で一括りされてしまいがちですが、いろんな入り口(きっかけ)があり、そしていろんな出口(目的)のための手段としてそれらがあるように思います。

居永さんからの答えはこうでした。

…最初は慣行栽培からスタートしておりました。やっているうちに必要のない肥料や展着剤など時間も手間も費用を省ける事に気付きました。万が一防ぎきれなかった害虫が侵入してきても温かいビニールハウスの中でカエルやてんとう虫が住みついており、捕殺してくれるので済んでいます。(結果として無農薬に)
水耕栽培が最高の農法だとは思いませんが、あるものや貰い物を使って初期投資を抑えて農業を目指す方の参考になればと思ってスタートしました。無料で見学や体験を受け入れる事で、いろんな方とつながり資材や販路先をシェアする事ができています。


農業で多くの時間を要する、除草と水やりの負担が少なくなれば、それまでハードルが高いと感じていた人ももう少し身近に農業を感じられます。居永さんのこうした想いは、栽培方法だけでなく後に紹介するさまざまな取り組みにも通じています。



さまざまな取り組み

  • パネルオーナー制度
棚田オーナー制度ならぬパネルオーナー制度。定植や収穫など要望に合わせて体験もできます。月額1000円〜(詳しくはこちら






  • 職業体験の受け入れ
訪問した日も職業体験として地元の中学生3人も農場に来ていました。職業体験の選択肢に農業があること、そして数ある選択肢から農業を選んだ彼らにも驚きました。
植え付けや収穫だけでなく、根を切って包装し、出荷や配達、販売までの一連の流れを体験する事で、野菜との関わりだけではないリアルな農業を体験できます。

自分たちで収穫したり、それを料理して食べたり、BBQや窯でピザを焼いたり。食べ物の裏側を知ることで、好き嫌いがあった子も「ここだとパクパク食べる」とおっしゃっていました。中学生以外にも、長年働けなかった人が社会と接点を持つ就労支援にもなっているのだとか。


  • ライダーハウス
農業に、直接関係はないかもしれませんがライダーハウスもされています。開かれた農場なので、いろんな方との出会いも大切にされています。びわ湖一周がマンネリ化してきた方はちょっと足を伸ばしてみてはどうでしょうか。(ファームステイ近江


  • ポケットマルシェ
ファーマーズマーケットは予定が合わず足を運べない、という方に朗報です。野菜を買った後も直接農家さんとやりとりできるアプリです。もちろん、栄養価の高いにんにくスプラウトも買えます。

グリーラボ近江さん以外にもいくつかファーマーズマーケットのパートナーの方々が出店されています。ぜひチェックしてみてください✅(こちら



マーケットに出る理由

くさつ ファーマーズマーケットに出店される前はあまり出店をされていなかったグリーラボ近江さん。あらためて出店への想いを聞かせてもらいました。

「最近は、買う側は誰が育てたのかどんな風に育てているのかいつが食べごろでどう食べるのか、などわからないことばかり。同様に売る側もどんな人がどんな値段で買っていきどんな風に食べてどう感じたのかわからない。それを直接できるのがファーマーズマーケットの醍醐味。」

「他の場所だと、フリーマーケット感覚で、お兄ちゃんなんぼ安なんの?みたいなこともあったので。」と苦笑い。

顔と顔とを合わせて、知りたいこと・知ってほしいことをお互いが伝えた上で、成り立つ関係こそ“持ちつ持たれつ”なのだと思います。



最後に

Uターンし、じっくり地域に根ざした活動をされている居永さんが合間にぽつり。「何事も一過性で終わらしたくない」という言葉が印象的でした。くさつFarmers' Marketが草津に、滋賀に文化として根付いてくれたらと思えた訪問でした。

くさつFarmers' Market

かつて東海道の宿場町として、多くの人がほっと一息ついた場所”くさつ”。 時代は変わっても、肩肘はらずのんびりとした時間を感じられ、 心の趣くままに愉しめる、そんな場所が残り続けることを。 週末の憩いの場として、温まりある空間をみなさんとともに育めますように。

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