月麦の音【天然酵母パン 焼菓子 パンランチbox /大津市】

今回私たちが訪れたのは、
三井寺(園城寺)の近くに工房を構える「月麦の音」さん。


目の前には長等山が広がり、自然からも近い場所にあります。
自宅の駐車場に建てられた工房は、まるで絵本に出てきそうなかわいらしさ。

黄色の入り口を抜けると、素敵なステンドグラスやおしゃれな雑貨が飾られ

奥には大きなパン焼きオーブンが鎮座し、棚には調理器具が整然と並んでいます。

この日はパンの販売日ではなかったため、店内には予約を受けられたシュトーレンやビーツのパンがほんの少し並んでいました。


食の仕事を始めたきっかけ

14年ほど前は、主婦の傍ら、元陸上の短距離選手をされていた経験を活かし、近くの皇子が丘公園で小学4年生から6年生を対象に、陸上のコーチングをされていました。

その時、子どもたちのある違いに気付かれます。

それは、‘’朝ごはんを食べてきているかそうでないかによる体力の差‘’。 

朝ごはんを食べていない子は元気がなく、1本の線上を歩かせると歪んで歩き、2時間もすると体力が無くなり、後ろ姿からもその違いが分かったと話されます。

しかし、朝ごはんを食べてくるように声をかけてもなかなか改善が見られません。
そこで生まれたのが穀類や黄粉などで作られたグラノーラーバー(当時”エナジーバー”と呼んでいたそう)。自ら手作りし、朝食を摂っていない子供たちにそっと渡されるようになります。

これが、月麦の音さんの原点。

栄養を考えて作られた愛情と優しさが詰まったこのグラノーラバー。


何より、子どもたちに朝食代わりになるものを作ってあげたいという想いから、調理や栄養学をきちんと学ぶために、夜学で京都の調理師学校へ通われたというから驚きです。

保護者向けには栄養のレシピなども渡されていたそう。


ある日、高校生になったかつての生徒に出会われた時に、当時のことを覚えていてくれたのが嬉しかったと語られる優しい笑顔が印象的でした。


月麦の音のパンと酵母

パンをメインにされたのも、子どもたちに受け入れてもらいやすいものは何だろうか?と考えた時に出た答えが「パンだった」から。

調理師学校の卒業制作には、興味を持って自ら学ばれていた酵母を使ったパンを制作されていました。もともとイーストで作るパンの香りがあまり好きでなかったことや、元来パンは酵母で作られてきたものだからそれを使って作りたいと思われたのが、酵母パンを作るようになった理由です。


現在酵母には、ファーマーズマーケットでも人気のハッピー太郎さんの麹や、季節ごとのものが使われています。酵母の種類によって味も変化するので、焼くパンの特徴に合わせても変えているのだとか。
レーズン、レモンの花、リンゴ、他にも自分で山へ入って桜の葉などを採りに行っては試されています。コロナによる自粛期間中も山に入りいろいろな植物を採ってきて挑戦されたそう。酵母は生きているので、時にはこちらの思うように育ってくれないことがあるそうです。特に野生酵母は難しく、そこがまた面白くてやめられないのだと嬉しそうに話されます。

そんな酵母の話をされる時、酵母の事を「あの子らは・・」と話されるのが印象的でした。陸上で子供を育てる時も酵母を育てる時も、彼らの声を聞き、観察し、待ち、育むという姿は同じなのですね。

 酵母以外にも、小麦は国産のもの、地粉はご親戚が信州の小川村で無農薬で育ててられたものでパンを作られています。


屋号「月麦の音」に込めた想い


屋号である「月麦の音」、こちらは「つむぎのおと」と読みます。
お月さまと麦が向き合って音楽を奏でているをイメージを表現されています。
「つむぎ」と読むことで、何かをつむいでいきたいという気持ちと、麦が風に揺れ、月のそっと照らす風情が音楽となって空につむいでほしいという想いからつけられました。
自然との調和、未来への優しさや温かさが溢れた素敵な名前ですね。


月麦の音の活動

現在不定期で、気軽なパンの料理教室「ランチ会」を開催されています。参加者さんからは、パンを捏ねる感触に癒されるとの声も。
他にもマルシェへの出店、ケータリングなど。ヴィーガンのローケーキからアメリカンなケーキまで幅広く対応されています。お店も不定期のオープンされています。



おまけ①:発酵と雑穀とお豆

滋賀の発酵文化にも興味を持ち、パンだけでなく発酵食を使ったお料理へも広がりを見せられています。お宅の玄関には、漬物、鮒ずしを始めとするなれずしや、へしこ、梅干しなどの漬物樽がたくさん並んでいました。

また、雑穀や豆の良さも知って欲しい、みんなにも食べて欲しいとそれらを使ったお料理も意識して手掛けられています。

ファーマーズマーケットでは、天然酵母パンをメインに焼き菓子やパンランチboxなどを販売くださっています。パンランチboxの中にも雑穀・豆・発酵食がふんだんに使われています。

こちらは12月のファーマーズマーケットで購入したパンランチbox。
お豆や雑穀が入って色も鮮やかで体が喜びそうなお弁当でした。



おまけ②:雑穀料理

訪問時に雑穀の「もちきび」を購入して使い方を教えていただきました。
これも信州の小川村で無農薬で作られたもの。

まずは簡単に、クッキー生地に混ぜて焼いてみました。つぶつぶ食感が楽しいクッキーができました。

また、ペースト状にしてクリームシチューに入れてみると、バターや小麦粉を使わなくても、とろみがつきます。栄養価がアップするだけでなく、カロリーダウンにもなって美容や健康に良さそうです。

ほかにも、キャロットラペや、野菜たっぷりスープにも入れてみました。
こんな風に、使い方やお料理のアイディアをやり取りできるのは直接会える機会だからこそ。ぜひマーケット中に気になったことは、各出店者の方にお聞きしてもらえたらと思います。

くさつFarmers' Market

かつて東海道の宿場町として、多くの人がほっと一息ついた場所”くさつ”。 時代は変わっても、肩肘はらずのんびりとした時間を感じられ、 心の趣くままに愉しめる、そんな場所が残り続けることを。 週末の憩いの場として、温まりある空間をみなさんとともに育めますように。

0コメント

  • 1000 / 1000